川西の記憶(アーカイブ)
ここに並ぶのは、有名人の物語ではありません。
川西で暮らしてきた、ふつうの人たちのふつうの話です。
でも「ふつう」が一番おもしろいんです。
「歴史に残るような話なんてないよ」と皆さんはおっしゃいます。
でも、私たちが聞きたいのは、日々の暮らしのあわいにある物語です。
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川西の記憶 第一弾 「岩渕さんの一代記」
ーーー 一本のペットボトルが、世界を巡るまで ーーー
いま私たちが当たり前に手にしているペットボトル。その容器が、まだ世界に三社しか作れなかった時代があったことを、ご存知でしょうか。
青木村に生まれ、上田の地から世界へ飛び出した一人の技術者がいました。「おまけの人材」と自らを笑うその人は、たった一人、図面とテスター片手に、韓国の真夏の地下室へ、砂漠のカイロへ、カスピ海のほとりへと向かいます。動かない機械、届かない材料、停電、横転事故──行く先々で立ちはだかる難題を、機転と度胸で切り抜けてきました。
これは、二十二か国を巡った半世紀の記録であり、同時に、異国でかじったヤシの実の甘さや、帰りの機内でかけられた「お帰りなさい」の一言を、今も忘れない一人の人間の物語です。
技術の話でありながら、どこか可笑しく、ふと胸が熱くなる。そんな「川西の記憶」を、どうぞお楽しみください。
目次
序章 ——青木村から
韓国編 ——おまけの人材、出陣
スリランカ編 ——ハザマ組の発電機
オランダ編 ——氷の国から
ベルギー編 ——バーストの夜
イタリア編 ——サンベネデットのワイン
イギリス編 ——お帰りなさい
アメリカ編 ——アトランタとオハイオ
幕間 ——家族の記憶
エジプト編 ——砂と機転の展示会
トルコ編 ——水商売とはこの事
バルセロナ編 ——オリーブ畑の中の工場
デュッセルドルフ展編 ——世界の檜舞台
シンガポール展編 ——赤道直下の赤いユニフォーム
アゼルバイジャン編 ——カスピ海のキャビア・後記